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脈診について

風の働きによって、波が現れることを私達は自然界から教わって知っています。同じように、気の働きというものが血液の流れに現れることをみなさんはご存知ですか。身体の血液の流れは、脈に現れます。そして、脈の状態から、気の働きを知ることができます。このように、脈を診て気(身体)の状態を知るのが「脉診(みゃくしん)」という診察法です。「脉診」を通して、全身の経絡、五臓六腑に流れる気が診断できます。「脉診」を通して、病気の重さを知ることができます。「脉診」を通して、治療の正しさを把握する事ができます。「脉診」を通して、治療する量についての適切さを測ることができます。「脉診」を通して、全身に至る病気の回復の程度を確認することができます。

中国伝統医学の治療の全ては「気」を通して、「脉診」で実現

三千年の歴史を持つ中国伝統医学の治療の全ては「気」を通して、「脉診」で実現されていることがお分かりかと思います。当院の名前の由来でもある「中和」とは、孔子の「中和を致せば天地位す」(『中庸』)からきております。「中和」は天と地の本道であり、心と気の原点、(元気の源)でもあります。すなわち中国伝統医学が求めている最高レベルの「道」そのものといえます。 病は気からとも言われるように、養生法は心から、そして治すのは「脉診」と気からが私の治療の信条です。中医学の最も代表的な古典である『黄帝内経』に「恬淡虚無、真気従之、精神内守、病安何來」とあり、恬淡虚無(かったんきょむ)すなわち私心なく物事にこだわらなければ、自ずから気が満ち溢れ精神は発揚として病が入り込む余地などはなくなってしまうということです。すなわち心気一体、心身一体そして元気一体と考えられています。

一番大切なのは、呼吸です。

呼吸によって、人は「気」を体内にとりいれることができます。方法としては、腹部がへこむくらいまで、息を吐ききることがポイントです。吸う息は、吐ききって生まれたスペースに自然に満ちてくるのに任せ、天地の命を吸うような気持ちが大切です。吐ききった充実感とともに、吸うことで下腹部へ命の輝きが戻ってきます。そこに気迫が宿るのです。さて、試しに深呼吸をしてみましょう。深呼吸をする時、先に息を吐く人はまずいません。先に息を吸う人の方が多いはずです。山や川など空気の綺麗な場所で深呼吸をして大きく息を吸いたくなるのは、清らかなエネルギーである「気」を取り込みたいからです。吸うことによって取り入れた気は肝と腎の内臓へと通ります。また、赤ちゃんが誕生する瞬間に産声をあげますが、その直前には肺が膨らんで、初めて息を大きく吸います。これらのことから、吸う息は「生」を象徴しているといえるでしょう。反対に、吐く息は一度身体の中で代謝された澱んだ気である「濁気」を排出しますが、同時に吐く息は心と肺の内臓に気を通す役割もあります。人が亡くなる時には、息を吐いて亡くなります。亡くなった人には、吸う力がないからです。つまり、吐く息は「死」を象徴しているといえます。生を象徴する「吸」、死を象徴する「呼(吐く)」を合わせて「呼吸」と呼んでいます。人が生まれるときは吸う息が先なのに、「呼吸」という言葉は吐く息である「呼」が先で、吸う息である「吸」が後にきます。これは、「呼吸」は言い換えれば「生死」ではなく、「死生」であり、死の後に生を持ってくることによって、輪廻という循環を表しているからです。もし「吸呼」と呼べば「生死」の順になり、生の次は死しかなく、循環が止まってしまうのです。実際に普段何気ない呼吸でも、吐くことが吸うことにつながり、吸ったら吐くしかありません。止むことのない「死生」が呼吸の中にも繰り返されていることを再認識させられます。  上述したような、不断の循環は、自然の営みそのものといえます。月の満ち欠けや、地球の自転、公転、無数の星に、ある一定の秩序があるのと同じように、人の呼吸や営みも、自然によって決められたとおり、秩序を持って繰り返されています。日本人にはなじみの深い「道」という概念、「道也者 不可須臾離也 離者非道也」道は、そこから離れるとたちまち道ではなくなり、道の上を歩くから道であるわけです。 中国には「道法自然」という言葉がありますが、自然こそが「道」、変わることのない法則である「不易」です。

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