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四季の養生法

自然(四季)に順応するという本来の治療法

春の3ケ月(初2月4日立春~終5月6日立夏)を「発陳(はっちん)或は春生」の季節という。 自然界の属性によると、春は木に属し、肝臓と対応している。そして五志※は『怒』(ど)、五味は『酸』(さん)である。 春は「春の陽気」の発生、万物の発生のはじまりという特徴に順応している。そのため、人の陽気も芽吹きのエネルギーと同じように、自然界の変化に従って「上」や「外」に発生していく。 よって、春の養生とは陽気の保護に気をくばり、「生」という字に着目するべき季節といえる。
1.「夜臥早起,廣歩於庭」(『素問・四氣調神大論』) 夜は夜半の時間・午後11時 (子刻) から少々遅寝で、朝は日出の時間・午前5時 (卯刻)から起き、散歩と軽く運動をする。 そうすれば生命力である人体の陽気の生起と保護に役だち、新陳代謝の機能が正常に行われるようになる。 2.「少酸多甘、補助脾気」 飲食の養生面では、春は陽気が発生したばかりであることを考え、辛、甘のものを食べ、酸味のものは控えめにする。『素問・蔵気法時論』には、「肝臓は主に春に属し、……肝臓の苦があれば甘のものを食べてそれをゆるめ、……肝臓気の疎通・排泄がしたいなら、急いで辛のものを食べてそれを発散する」とある。 食品は辛、温和、発散の効がある韮、ナツメ、浜納豆、ネギ、中国パセリ、落花生などを選んで好みに合わせて調理するとよい。 3.「疎肝通気、防風避寒」 『黄帝内經』には「風者,百病之始也」とある、春の陽気を発生させるため、人体の皮下と筋肉の空隙が柔らかくなり始めるから、免疫力と寒さへの抵抗力は弱まってくる。 春は気候の変化が大きく、特に「風」の変化と寒さが加わると呼吸器(肺と気管支)、消化器(肝臓、胃腸と脾臓)あるいは循環器にはストレスとなり、風邪、インフルエンザ、肝炎、胃腸病、顔面神経麻痺や高血圧、脳卒中の発症率が高まる。 『千金要方』という古医書で春の服装を「下着は厚く上着は薄い、陽の生気を保養する」とある。 そのため、初春の頃には防風、防寒服をまだ脱ぐべきでなく、お年寄りと病弱者の着替えには特に慎重であるべきで、急に着るものを減らしてはならない。 春の精神面の養生では、五志は『怒』、『怒は肝臓を傷める』の観点から、激怒を厳しく戒め、更に憂鬱な気持ちになることを避け、度量を大きくし、楽観的に向上することを目指し、愉快な気持ちが望める。
夏の3ケ月(5月6日立夏~8月8日立秋)を蕃秀(ばんしゅう)の季節という。 (立秋~秋分の間は長夏という)。 自然界の属性によると、夏は火に属し、心臓に対応。そして五志は『喜』、五味は『苦み』である。 夏は自然界の植物が生い茂る季節、天地陰陽の両方の気が盛んに交合することで、植物は花を咲かせ実をならせる。 人間も自然界の変化に従って、体内の陽気が皮膚を通じて、外界に発散するようにしてゆくべきである。1.「夜臥早起.無厭於日.使志無怒.使華英成秀.使氣得泄.」(『素問・四氣調神大論』) 夜は遅く寝ることがあっても、朝は日の出とともに早く起きる。 炎天下の暑いところに長時間いないように気をつける。また物事にイライラせず、いつも愉快に過ごすのがよい。適当な運動をして陽気である汗をかくこと。 2.「多苦少甘、滋陰降火、防暑、防涼、長夏防湿」 食の養生では、夏は陽気が盛んになるため、大量の汗をかき、消化液の分秘も減少する時期である。そのため食欲不振に落ちいりやすく、苦味と酸味のものを食べるのがよい。 苦味は心臓に入り、心臓の陰気を補い、涼血の働きと暑気を払う作用がある。 甘味は湿気を助長し、多めに食べれば脾臓を傷めるため、甘味は控えめにし、酸味を加えると(湿気を払う)、食欲が改善され、夏の倦怠感がとれる。 食品としては苦瓜、苦茶、梅干、冬瓜、まめ類の緑小豆、赤小豆、お粥などがおすすめ。 日本の夏は気温が高く、湿気が多い。湿と熱のせいで蒸し暑いのが特徴である。また多くの職場や家庭にはクーラーが入っており、体を冷やす。クーラーから離れ、冷たいものを取り過ぎないよう心がけましょう。 夏は人間の陽気が、全開する花のようにすべてを外に出します。その陽気を養うためには体内老廃物や毒素を汗とともに皮膚を通じて外に排泄、放散できるようになれば一番です。 これに背くと、陽気が胸にこもります、心臓を傷め、秋になると空咳の原因にもなります。 夏の養生法は、気持ちを愉快に保ち、汗をかいて暑さや湿気、冷房から身を守ることです。
秋の3ヶ月(初秋8月7日~終11月7日)を「収斂、乾燥、収穫」の季節といいます。 「秋になると、陰の気が下がり始め、ゆえに万物は収斂する(絞ってあつめる)」(『菅子』)1.「早寝早起 與鶏倶興」 「春夏養陽 秋冬養陰」(『素問、四季調神大論』) 四季の陰陽は万物の根本であります。そのため聖人は春夏になると陽(陽エネルギー)を養い、秋冬になると陰(陰エネルギー)を養うことにより、根源(元気の源)から、養うことを心がけてきました。 「早寝早起きを心がけ、ニワトリの鳴き声と共に目覚める」 早寝は陽の気の収斂(絞ってあつめる)に順応し秋の陰の気を養います。また早起きによって、肺の気を広げさせ、夏に取り込んだ体内の陽気を維持してくれるのです。 2.「少辣多酸 補養肝気」 秋になると肺気が盛んになり、肝気の活性は低下してきます。 唐辛子、辛子、揚げ物などの食べ物は、肺気を増やし乾燥させやすくなりますので、控えめにして、逆に梅干、酢の物を積極的にとるようにして、低下した肝気を補うよう食生活を心がけましょう。 3.「防涼防燥 風邪予防」 秋は、草木が枯れる季節であり、「燥季」ともいわれています。 人間の体も乾燥しやすい時期になりますので、のどが渇かなくても水分を補給するようにしましょう。乾燥肌が防げます。 また、朝晩涼しい風が吹き、温度差も大きく、天気もたえず変化しますので、適当に上着を羽織るなどの配慮をして、風邪を引かないように気をつけましょう。 以上は、秋の気に対応するための養生法であり、「収斂」を養うための方法です。
冬の3ケ月(初11月7日立冬~終2月4日立春)を 「閉蔵」の季節という、一年中に一番寒い季節で、 葉を落とす植物、冬眠する動物のような万物が静か に閉じこもり、生命力潜伏閉蔵の季節であり、人間の 陽気も自然界の変化に従って内に潜んでいる。1.「早寝遅起、必待陽光」(「素問・四氣調神大論」) 夜は亥刻(人定の時間PM9:00~11:00)早寝で、朝は卯刻(日出の時間AM6:30~7:30)に太陽が昇ってから起き、そうすれば生命力である人体の陽気の貯蔵に役たち、また、人体の陰気と精を蓄えることになる。 2.「少鹹多苦、補助心気」 冬になると腎気が盛んになり、寒さを加えると心臓、循環器にストレスとなり、心気の活性低下してきます、狭心症、心筋梗塞など心臓病や高血圧、脳卒中の発症率が高まってきます。 漬物、醤油、味噌類、塩からいものを控えめに、春菊、苦瓜、たけのこ、紅茶、ココアなど苦いものをとるように心かけましょう。 3.「温腎補陽、防寒就温」 腎臓は水分代謝をコントロールし、ホルモン系、生殖系の機能も含んでいる、生命力の源と見なしています。腎臓は寒冷に弱い臓器なので、冷える食べ物、冷たい飲食物を控えめ、くるみ、紫蘇、ネギ、旬の根菜類など、身体を温めて、気や血の巡りをよくする物をとり、陽気を補う、「腎」の機能を促進する、「精」を養うものを摂るようにしましょう。 服装が少なすぎ、薄すぎ、室内温度が低すぎると風邪が引きしやすくなる、陽気も消耗する、逆に服装が多すぎ厚すぎ、室内温度が高すぎると皮膚の毛穴が開き、汗が出る、陽気は潜むことができなくなる、外出に行くと、温度さで風邪が引きやすくなる。 冬季の養生は自然界の閉蔵の法則に順応すべきであり、陰を集めて陽をかばうことを根本とするものであり、この「冬蔵」の法則に従って、腎中の陰陽の氣(生命力の源)を保全されて、まさしく「養生」本来の意味で生命を養うということである。
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